MADLIONS FIRE68 レビュー

MADLIONSから発売されている65%フォームファクター、GateronサブブランドであるEverfreeスイッチを搭載した磁気スイッチキーボード「FIRE68」をレビューしていきます。

本製品にはアルミニウムケースになったPRO版なども発売されていますが、日本の代理店であるリンクスインターナショナルから発売されているモデルはノーマル版のみとなります。

目次

MADLIONS FIRE68について

MADLIONS FIRE68は価格を12,980円に抑えたエントリーモデルとなるホールエフェクトキーボード。8000Hzポーリングレートと、ラピトリを最短0.04mmまで短くできるのが強み。

ノーマル版だと薄手のプラスチックケースなのでやや値段相応感は否めませんし、打鍵感もハイエンドと比べると決して高得点とはいきませんが、値段を考えると中々良い選択肢です。

基本情報は以下からご確認ください。

スペック

基本仕様

カラーBlack, White
配列ANSI
フォームファクター68%
接点方式磁気
寸法310 x 100 x 40mm
重さ700g
ケースプラスチック
トッププレートアルミニウム
LED北向き
マウント方法
端子USB-C
端子位置左端

キーキャップ・スイッチ

キャップ材質PBT
厚み1.5mm
キースイッチEverfree Universal
押下圧30gf
ストローク3.5mm

性能

ポーリングレート8000Hz
アクチュエーションポイント0.1 – 3.3mm
ラピッドトリガー0.04 – 3.3mm
調整幅0.02mm
ソフトウェアWebベース
Mod Tap
DKS
Toggle Key
SOCD
プロファイル切替

購入先

価格12,980円
販売先Amazon
コード
TITAN ARMY
¥12,980 (2025/04/01 14:42時点 | Amazon調べ)

外観とデザイン

カラーリングは黒と白の2色展開。ビジュアルとしてはかなりシンプルな作り。ベゼル薄めのプラスチックケースなので値段相応ではあります。コンパクトなので、スッキリしたのが好きなら良いでしょう。

© MADLIONS

公式サイトを見るとプロとかウルトラとか色んな派生系があります。中でもウルトラは見た目がまんまWootingのデザインでこれ大丈夫かと思いますが…日本ではノーマル版しか販売されてないのでとりあえず関係ないかなと…。

US配列の65%ファームファクターで、68キー。右ALTやCTRLなどは小さい1Uサイズになりますが、矢印キーやDelキーがギュッと隙間なく詰め込まれています。60%ではキー数的に満足できないけどコンパクトさも捨てたくない人におすすめ。

プラスチックケースにしては底にチルトスタンドがついていないため、角度はフラット気味で固定されます。手首的には角度あまりつかない方が負担少ないので、これはこれで良いと思います。

USB-C端子は左端についているのでコイルケーブルが使いやすい設計。

トッププレートはアルミニウムです。

レビュー

MADLIONS FIRE68の実力について見ていきます。

このキーボードの要点
  • 価格がかなり安い
  • ラピトリ0.04mmで精度はまずまず
  • 8Kポーリングレート
  • ケース、打鍵感や打鍵音は値段相応
  • 作りはやや甘いがウェブドライバーあり

キースイッチはEverfree

GateronのサブブランドであるEverFree Universalスイッチを採用しています。

これはたぶんLUMINKEY Magger 68で採用されているEverFree Magnetic White Proと一緒っぽい気がする。確かLUMINKEYxGateronのコラボだった気がしたけど特に独占契約とかじゃないのかな。後ほど汎用タイプとして出たか。

押下圧は30gfと軽め、ストロークは3.5mmとやや浅いです。

デュアルレール採用で軸ブレは少なめ。ステムとスプリングにルブされています。今時のスイッチは基本ルブされてくるのでスムーズなのが嬉しい。

底のマグネット部分には蓋されていませんでした。リニアタイプで引っかかりはなくスーッと下りていきますが、打鍵感・打鍵音的にはハイエンドに遠く及ばずといったところ。キーボードの価格を考えると妥当と言えば妥当です。

似たようなコスパキーボードで考えるとMCHOSE ACE60 Proを思い浮かべますが、こちらも似たような見た目と使用感ですね。ややカチャカチャうるさいのは軽減されてるけど、性能は良くて打鍵的にはイマイチってのは共通点。だが安いから許される。

LEDは一般的な北向きとなっています。北向きだとキーキャップの文字に光を透過させやすいです。

スタビライザーはプレートマウントタイプ。

キーキャップについて

PBTでそれなりに良い質感を持ったキーキャップです。若干ザラつきのある表面をしています。印字は左上寄り。

文字は透過されていてRGBライティングがギラギラと光ります。最近文字光るキャップあんまり使わないのでまぶしくて目が眩む。

内側部分はポリカーボネートかな。厚みは1.4~1.6mm程度で、平均値的には1.5mmほど。

左が本キーキャップ、右がGMKです。昔のメカニカルキーボードではかなり一般的だったOEMプロファイルで、最近多くなってきた右のCherryプロファイルよりもやや高さがあります。

最短0.04mmのラピトリ性能

  • アクチュエーションポイント: 0.1〜3.3mm
  • ラピッドトリガー: 0.04〜3.3mm
  • 0.02mm単位で調査可能
  • キャリブレーション機能あり

格安キーボードとしてはラピトリ0.04mm精度と、かなり頑張っています。アクチュエーションポイントに関しては0.1mmですが、いずれも0.02mm単位で細かく調整可能。

実際にラピトリは0.04mmで設定してどのくらいの精度で動作しているのか、マイクロメーターを使って簡単に手動検証してみました。

0.04~0.06mmの間あたりで安定し、悪くない精度を誇ります。キビキビ動作しますし、この値段でこの性能なら十分な気がする。

デッドゾーンの設定は0~1.0mmで可能。デッドゾーン0mm、ラピトリ0.04mmの状態で計測してみたところ、底打ちからリリースまで0.3mm前後となりました。デッドゾーンを0.3mmに設定すると、今度はリリースまで0.55mmほどになりました。この辺数値がばらつくのは超ザックリと手動かつ雑な測定をしているからですが、デッドゾーンは増やせば増やすほどリリースが遅くなることが分かります。

何が言いたいかというと、デッドゾーンは0mmにしておいても底打ちによる入力切れは起きませんでしたのでそのような設定がおすすめです。もし入力切れが頻発するようならキャリブレーションまたはデッドゾーンの設定を増やしましょう。

8Kポーリングレート対応

8Kポーリングレートだと0.125msごとにPCと通信するため、キーを入力したという情報が素早く送られます。つまり単純に反応が速くなるということ。

ラピッドトリガーによる物理的なリリースのスピードアップと、ポーリングレートによる処理速度向上でキー操作がより速く反映され、直感的な操作に繋がります。

WEBベースのソフトウェア

今や珍しくもなくなってきたWEBドライバーですが、まだ対応していないブランドも多々あります。MADLIONSは対応済み。ありがたいね!

ただし日本語がない上、英語でも翻訳精度が低く中国語が混じってくる感じ。なんかこういうので損するのもったいないよね。ただそのうちアップデートでなんとでもなるんじゃないかなと。ならなかったら…悲しいだろ…。

  • キーアサインの変更
  • RGBライティング
  • アクチュエーションポイント
  • ラピッドトリガー
  • デッドゾーン
  • ポーリングレート
  • キャリブレーション
  • DKS/MT/Toggle Key/SOCDなど

磁気スイッチを活かした機能も搭載しています。SOCDも利用可能。いくつかの機能は表記がぐちゃぐちゃでなんなのかよく分かりませんでした。もうちょっと綺麗に整理してもらいたいところ。

価格はかなり安め

定価12,980円。

世間はハイエンド指向になりつつある気がしてますが、安い部類に入るDrunkdeerよりも安いか。MCHOSE ACE60 Proと比べてどっこいくらい。なかなか勝負勘のある価格帯で挑んできたなと思います。

20,000円くらいでいうとLUMINKEY Magger 60とか中々レベルの高いキーボードが出てくるけど、MADLIONS FIRE68は12,980円という安さの割には強めな性能を持っています。

正直まだ磁気スイッチキーボード初めて買おうと思ってる人に高価なキーボードおすすめしても買おうと思わないような気もしてますしね。まずは安価なコスパモデル買って、ラピトリから逃げられなくなってから打鍵感良いキーボード触ってみたらどっぷり沼に浸かるかもしれない。

総評とまとめ

ここまで「MADLIONS FIRE68」を見てきました。

定価12,980円という安さながら0.04mmラピトリと性能面では優秀な数値を出すキーボードですが、その分安っぽいプラスチックケースや微妙な打鍵感など犠牲にしている部分はあります。

これは当然値段を考えたらどこを妥協するかという話でもありますよね。予算を抑えたい、または磁気スイッチ試してみたいけどいきなり高いのは買うつもりがない…という方には選択肢が増えてかなり嬉しいはず。

TITAN ARMY
¥12,980 (2025/04/01 14:42時点 | Amazon調べ)

提供: リンクスインターナショナル

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