G-Wolvesといえば付属品がめちゃくちゃ豪華なのが印象的ですが、今回紹介する「HTS Ultra 8K」も例外ではなく、いつものハードケースにアクセサリー満載でお届け。
重さはなんと30g前半というFinalmouseを超える軽さで、そのぶん鬼のようなハニカム構造になっています。面白いぞー。
記事執筆時点における本無線製品は電波法に基づく技適取得の確認がとれていません。実験などの特例制度の下でのみ使用が認められ、違反した場合は罰せられる可能性があります。
G-Wolves HTS Ultra 8Kとは
HTS Ultraは小型なSサイズマウス。昔発売されたHTS(HATI S)と同じサイズで、近年人気を博したHTS Plusよりも少し縦に縮んでくびれが大きくなった形状をしています。
G-Wolvesは積極的に色んなサイズやシェイプを展開してくれるのが熱いですね。
最近はハニカム構造をなくしてソリッドシェルにするのが主流ですが、G-Wolvesのマウスシリーズに関してはゴリッゴリのハニカム祭り。マウスボタンだろうとお構いなしに穴抜きしていて、臆する様子が一切ありません。
海外レビュアー達がゴルフボールみたいだとつぶやいていましたがホントにそれって感じで、これはこれで賛否が分かれるデザインかもなという感触。
- オリジナルHTSシェイプ
- サイズに対する軽量化がすごい
- ビルドクオリティは普通に良い
- ゴルフボール
- クリックが柔らかい
- 一部ハニカム部分は凹む
- PAW3950センサー
- 8Kポーリングレート対応
- バッテリーは小型
- ウェブドライバーあり
- 値段は高めだけど付属品山盛り
外観とデザイン
HTS Ultra 8Kはゴルフボールなのである。
これ実はね、G-Wolves自体もゴルフボールを念頭においてデザインしているみたいなのでマジモンにゴルフボールなわけですよ。マウス全体が凹凸の大きいハニカム構造になっています。
穴があいていない部分もガチガチのハニカム形状なので、部分的にシェルを薄くして少しでも軽量化しているみたい。このハニカムの感触がダメっていう人は一定数いそうです。
トップシェルやマウスボタンは結構穴があいています。サイドはハニカムの形をしているものの、穴は最小限。付属してくる紙粘土をくっつきやすくするのが目的です。
シェル後方はFinalmouse ULXと似ていて、押し込むとぐにゃっと凹みます。普通に使う分にはつかみ持ちでも問題ないはずですので、興味本位で押し込んではいけません!
撮影用に上の写真撮ろうとしたらペキッと細い部分が折れました。これは自業自得なんだけど。
シェイプは昔からあるHTS形状。113x61x40mmと全長は短めで、平べったくはなくシェル中央付近のトップピークが高めな設計。掴んだ時に、手のひらでふくよかなハンプを感じやすくなっているため、スペックサイズよりも大きい印象があります。
とはいえ別に大きくはないため、つまみ持ちでも適正は高くなっています。かぶせ持ち系はハンプが邪魔して薬指と小指が右サイドに上手く馴染まないというか、窮屈に感じるかもしれません。
マウスボタンはやや中央が窪んでいるスタイルで、指は置きやすいです。
サイドのくびれはほど良くあります。中央からフロントにかけて逆ハの字が段々強まっていき、切り返しなどでの持ち上げが容易になっています。
底は超スカスカですが、上手く補強されているためビルドクオリティは悪くありません。サイドをかなり強めに押し込むと軋みますが、だから何だという感じで普通に持つくらいの力では全く問題ないです。
レビュー
G-Wolves HTS Ultra 8Kの良いところ悪いところ。
あゝ付属品多し
なんだってこんなに付属品豪華なの!と毎回毎回突っ込んじゃうんですけど、相変わらずスケールが違います。
まず化粧箱がおかしい。なぜホログラムなんだい。
外箱の中には小さなスーツケースのようなハードケース。さらにその中にマウスや小物類が入っていますが、小物系はここに入りきらないため別の袋でも届きます。
内容はこんな感じ。
- ハードケース
- ストラップ
- マウス
- 8Kドングル
- ケーブルx2
- グリップテープ
- 予備ソール
- 底用のカバーステッカー
購入時期によって内容物が異なる可能性があります
今回は同時にHTX Miniも送られてきていて、別袋の付属品はごちゃ混ぜになってきました。なので少し組み合わせ間違えてるかもしれませんが、なんとなくイメージが掴めればいいかなと。
このサイズで31.3gは凄い
実測値は31.3gでした。ぶっちぎりに軽い。
HTS ACE Wirelessが56±2gだったので、半分とまではいかなくともかなり近いレベルの軽量化が成されています。
Finalmouse ULX Competition Cheetah (S)は35gでしたので、それと比べても軽くなっています。ULXよりもサイズは大きいのでそう考えると軽さの比率としてはHTSに軍配が上がります。
メインクリックの直下は穴抜きされているし、底もスカスカだし、全体がガチガチのハニカム構造設計なので軽量化を突き詰めたデザインと言えます。
か…軽い…!でもゴツゴツしてる…!という感想。
本マウスにはスタンダード版とデラックス版の2種類があり、スタンダード版はスペック上32.9gとなっていてデラックス版は29.5となります。今回紹介しているのはデラックス版ですが31.3gとなっているため、スタンダード版は35g近くなるのではと予想。
ちなみに何が違うかというと、スタンダード版ではバッテリーのサイズが50mAhアップしています。
3950搭載・8K対応
センサーは記事執筆時点では最新となるPAW3950を搭載しています。
一世代古い3395と3950にどれほどの違いがあるのか?という疑問もあると思いますので、ざっくりと解説します。
- LODに0.7mmが追加
- Motion Sync時の遅延低減
- ガラスパッドでのセンサー飛び改善
などが私の知ってる限りの情報。蛇足ですがDPIも当然高くなっています。
センサー位置はかなりフロント寄りなので、手首を振った時のカーソル移動幅が大きくなります。腕での移動や指先での微調整には大きな影響を与えませんが、手首を横方向に切り返してみると想定よりも大きく画面が動くはずです。なので、中央センサーやリアセンサーに慣れていた方はセンシの微調整を迫られるかもしれません。
深くマウスを持つ方はセンターセンサーだとリアっぽく感じてしまうかもしれず、その場合はフロントセンサーがしっくりきそう。
本機のポーリングレートは8Kに対応します。これは高ければ高いほどPCとマウス間の通信間隔が短くなるため、応答速度の高速化や滑らかなカーソル移動に繋がります。
ただしバッテリー消費量が格段に高くなるため、ワイヤレスがトレンドである現在では扱いに注意が必要です。1K使用時と比べてかなり速く充電がなくなります。
私は充電を頻繁にするのが嫌なので2Kや4Kで遊ぶことが多いです。HTSでは2Kも4Kも任意に選べますので、自分のプレイスタイルに合ったポーリングレートを選びましょう。
クリックが柔らかい
HTS Ultra 8Kで少し引っかかったのはメインマウスボタン。穴抜きされまくりな上にかなり薄いので、強く押し込むとふにゃっと軽く歪みます。これのおかげでやや柔らかい底打ち感をもたらしているのかなと。
このクリック感が好きな人はいるでしょうが、もっとハッキリ地に足ついたクリック感の方が好きという人もいるんじゃないかなと思います。
スイッチは定番のHuano Pink Dot Blue Shellで、XLATでクリック応答速度を計測してみたところ、以下の通りでした。
G-Wolvesのマウスは非常に高速なレスポンスを誇り、それはHTSも同じです。ランキング的には7位となりますが、正直500μsより速いマウスはどれも同率くらいなので、とにかく超高速と考えて大丈夫です。
サイドボタンはやや大きく飛び出しているカプセル形状です。ストロークが深く、手前側のサイドボタン4に関してはかなり深いポストトラベルがあります。ただし押し込むとすぐにカチッと反応するため、そのあたりは問題ありません。
ホイール回転は優しいノッチ感があって静音性が高いです。クリックはメインボタンと同じで柔らかい底打ち感があります。
底のフレームが引っかかることも
HTS Ultra 8Kは最初から点ソールが装備されてきます。これは軽量化を考えると当然の選択肢と言えます。やや面積が広めな面ソールも予備としてついてきますから、好みで付け替え可能です。
最初はArtisan 99式 SOFTで遊んでたのですが、上からの力が加わって沈み込むと穴抜きされているボトムシェルのフレームが擦れて強い摩擦を生みます。
ザリザリ!みたいな感触なのでゲームプレイにも大きく影響します。力を込めてマウスを振る方がいたら気になるかもしれません。
なので可能であれば中間層はやや硬めなマウスパッドと組み合わせるのがベストですが、もしくは0.4gほど重くなってよければ付属してくるボトムカバーステッカーを貼り付けてあげると改善されますのでお試しください。
下のソールに干渉するので張り直すかステッカーを無理やり切る必要があります。
ソールガイドが撤廃されているのは軽量化の意向もあったかと思いますが、良い方向性です。
ウェブドライバーあり
ソフトウェアはインストールタイプではなくウェブドライバーになっていますが、アドレスはG-Wolves感ゼロなので忘れると辿り着くのが困難です。ブックマークしておくのがおすすめ。
本マウスにはDPIボタンがないため、初期設定である400dpiから変更するためにはウェブドライバーにまずアクセスする必要があります。そのためネット環境がない状態で本マウスを開封すると400dpiに無理やり付き合わされるハメになるので注意が必要です。
Click Debounceは少しわかりにくいのですが、DIYをオンにした状態でClick Debounce DIYを0にすると応答速度が最速になります。この場合チャタリングの恐れも出てくるため、意図せぬダブルクリックが頻発するようになったら少しずつ遅延を高くして確認していきましょう。
総評とまとめ
メインボタンのしなり、サイドボタン4のポストトラベルが大きい、触り心地がゴルフボールである、力をかけるとマウスパッドとボトムフレームが摩擦を起こす…など気になる点はいくつかあります。
しかし31.3gは本当に軽い。Finalmouseでもとっても軽いのに、よくここまで突き詰めたなと。HTRのようなツマミ持ち専用形状ではないのもポイント。物理的に小さくしたら軽くなって当然ですから、つかみ持ちにも対応するようなHTSのサイズ感とシェイプでこの軽さはかなりの強みと言えます。
アクセサリーもかなり豪華なので、ソールを変更したり、底にステッカーカバーをつけてみたり、紙粘土で形状に変化を与えてみたりと色々試せるのもG-Wolves HTS Ultra 8Kの良さ。
ウェブドライバーも出しているし、かなり頑張ってますよね。
最新作が日本のAmazonで売り出されるのは発売されてから少し後になるので、すぐに欲しい人は購入がちょっと手間なのがネックかな。