AIM1 瞬 MATATAKI レビュー

AIM1から発売されたラピッドトリガー対応キーボード「瞬 MATATAKI」をレビューします。

以前陽炎という格安ゲーミングマウスパッドで有名になった記憶がありますが、今回の瞬ではどのようなデザインで攻めてくるのか、 見ていきましょう。

AIM1 瞬 MATATAKIについて

AIM1 瞬 MATATAKIは8,000Hzの応答速度を持ち、0.1mmのラピッドトリガー性能を持つOutemu磁気スイッチを採用。白色で統一されたビジュアルで、英語配列の75%フォームファクターとなります。

価格帯はやや安めな部類に入ります。

外観とデザイン

カラーはホワイトのみの一色展開。ケースからキーキャップに至るまで白で統一されており、デフォルトのライティングも白色発光になっています。白に対するこだわりを感じますね。

ケースはベゼルがやや太めで、四隅のRが緩めの優しい形状です。ベゼルが太いと多少コンパクトさを犠牲にしますが、うっすいペラペラしたやつよりも見た目良いです。

あくまでプラスチックなので、触ると質感的にはチープさがあります。これをアルミケースにすると価格的に高くせざるを得ないので、予算重視な舵取りで考えると正解かなと思います。

右上にダイヤルがついているタイプで、デフォルトではボリュームの上げ下げ、押し込みで音声ミュートが登録されています。回転させてみると若干ここは素材的な安っぽさを感じます。

それと少し気になるのは背面のこの継ぎ目。特に外れるわけでもなく不必要に感じるのでない方がビジュアル的には良かったですね。

チルトスタンドは2段階なので、自分の好みに合わせて角度調節が可能です。アルミだと中々調整できるケースが少ないため、プラスチックケースの強みと言えます。昔、私は結構角度つけて使っていましたが、ロープロファイルを経験してから手首への負担を減らすためにあまり角度をつけないようになりました。お好みで。

端子はUSB-Cで、センターよりも少しだけ右側にズレています。個人的には左端でコイルケーブルを使うのが好きなので位置としてはやや微妙。付属ケーブル使う人や特に気にしないよって人には問題ないでしょう。

…とここまで書いて思ったのですが、このキーボード何かに似てるなと思ったらYUNZII RT75   にそっくり。ケースが隅々までそっくりだし、ノブも同じだし、さらにはスイッチがOutemuなのも似てる。

正直YUNZII RT75がオリジナル形状かも怪しいところなので、誰が最初だっていうのはもう藪蛇かとも思いますが…。

レビュー

AIM1 瞬 MATATAKIの実力について見ていきます。

キースイッチはOutemu

そっくりさんと言ったYUNZII RT75でOutemuのピンク軸を触りましたが、このキースイッチは価格を除いて特に秀でている部分がない印象です。

今回のAIM1 瞬がOutemu搭載と聞いて、もしかしてスイッチ的に改善されたのかなと淡く期待していたのですが特段そうでもありませんでした。

イニシャル押下圧は40gf、キーストロークは4.00mmといったところ。

底に脚がないピンレスタイプで、それが影響してかややスイッチ自体のブレがあるんですよね。打鍵音的にも普通で、THOCK音とは程遠いし、少し古いタイプのメカニカルキーボードという印象。

さらにキーボードの基板は2ピンの穴があいておらず、極性もS極対応で異なるため、GateronシリーズのKS-20UやLekkerなどのN極を使うことができません。ホットスワップに影響が出てしまうのは残念な部分です。

トッププレートはアルミ製、スタビライザーはノーマルなプレートマウントタイプです。

キーキャップはいい感じ

PBT昇華印刷タイプで、質感的には結構良いです。文字の配置やフォントも洗練されていて、真っ白なデザインに水をささないこだわりを感じます。

サラサラとした触り心地で汚れは目立ちません。厚みは1.5mm前後で、私が持っているGMKよりも少し厚みがあってしっかりしています。

プロファイルはCherryタイプで背丈がやや低めです。少しだけ手首に優しい角度になるので私は結構好きです。

0.1mmのラピトリ性能

• アクチュエーションポイント: 0.1～4.0mm
• ラピッドトリガー: 0.1～2.5mm
• 押し込みとリリースの分離可能
• キャリブレーション機能あり

ラピッドトリガーの精度をマイクロメーターでザックリと測ってみた数値は以下の通りです。こちらはあくまで私が検証した結果なので正確な絶対値ではなく、こんなもんか程度に見ていただけると幸いです。

設定は0.1mmにしています。浅めだと0.1mm付近で推移しますが、深めに押し込むと0.2〜0.3mmで反応していて、精度はあまり良くなくばらつきがあります。

基本的に浅いところでの精度は意味がないので、深めに押し込んだ時のばらつきが大事かな。特に0.1mmなのに0.3mmまでいってるのは厳しめ。デッドゾーンに干渉しない距離感で計測したつもりですが、デッドゾーンに差し掛かっていた可能性も拭えない。

平均値は0.21mmほどとなります。

ソフトウェアはインストールタイプ

最近流行りのウェブドライバーではなくインストールして使うソフトウェア。

アクチュエーションポイントやラピッドトリガーの設定は難なく可能。SOCD、Mod Tap、Toggel KeyやDKSなどのホールエフェクトを活かした機能も実装済み。

LEDライティングも変更できますが、個人的にはデフォルトの白色LED点灯そのままが結構おすすめかな。

後はキーリマップでプロファイルの切り替えボタンが設定できれば良かった。私は普段使いとゲーム用でアクチュエーションポイント分けるので、プロファイルスイッチ機能は是非実装してほしいと思います。

全体を通して見ると特段悪くないソフトウェアですが、ウェブ対応だったらなお良かったなと。

価格はちょい安め

価格は14,980円となっていて、他のホールエフェクトキーボードに比べてやや安めな設定です。

プラスチックケースやOutemuスイッチで採算をとっているのだと思います。YUNZII RT75も同じくらいの値段設定なのですが、見た目と8,000Hzポーリングレートで差別化を感じます。その2つでどっち買うってなったらAIM1かな。

0.02mm単位でのラピトリなのに10,000円前後のMCHOSE M60 Proと比べるとコスパ的には見劣りしてしまうのが正直なところ。ビジュアル的にはAIM1 瞬の方が全然強いですけどね。

総評とまとめ

ここまで「AIM1 瞬 MATATAKI」を見てきました。

Outemuピンク軸がちょっと苦手なのと、ラピトリ精度が良いとはいいにくいのがネックかな。少なくとも基板が対応してGateron系にスワップできたらもうちょっと面白かったかも。

見た目はプラスチックケースにしては頑張っている方です。触ったら質感的には分かっちゃうけど、キーキャップもいいルックだし中々美しいホワイトカラーなんですよね。

おすすめかと言われると微妙なところだけど、ビジュアルにビビッと来た方は手にとってみてもいいかも。

提供: AIM1