BenQ ZOWIEから怒涛のワイヤレスマウス発売ラッシュ。今までEC系と新作シェイプであるU2のワイヤレスは出ていましたが、一向に音沙汰のなかったZA13、さらにS2とFK2が一気に無線化です。
ついにきたか!とガッツポーズした方もいるんじゃないでしょうか。
今回は待望のワイヤレス化を果たしたZA13-DWを筆頭に、愛用者も多いシェイプのS2とFK2のDWシリーズを見ていきます。
ZOWIE DWシリーズについて
DWのDは世代のことなので、今までのC型よりも進化したモデルという意味合いです。
Cシリーズからの進化ポイントとしては主に、センサーがPAW3950になったこと、ワイヤレス4Kポーリングレートに対応したのが大きな部分。あとは細々したシェイプやボタンサイズなどの微調整ってところですね。
うーんいまだにZA13の正式ワイヤレスがこの手にあるのが信じられない。最高。
DWシリーズの基本スペック
今回はマウスが3つあるため、主にシェイプについて見ていきたいなと思っていますので、最初にスペック系をさらってしまいます。
コーティングはグリップ力があっていい感じですが、脂汚れや指紋キャッチャーなのもいつも通り。気になる人はたまに布での拭き掃除が必須になります。
U2ではPAW3395センサーを採用していましたが、今回はPAW3950を搭載していてモーションシンクも組み込まれています。ここ最近他のマウスもあまり3950から大きく進化してるイメージないですから、信頼に足ると判断されたのかな。
ドライバーレスなのは従来と変わらず、センサー左のボタンでポーリングレート、右のボタンでDPIの数値変更が可能です。他にもクリックレスポンスやLOD、モーションシンクなどもスイッチの組み合わせで調整できます。
DPIは6段階で、400,800,1000,1200,1600,3200まで。3200以上に設定している人はウッとなるかもですね。これ以上の設定変更はできませんので。私は1600なので問題ありませんが、1000とか1200とかいるかな?とは思っちゃう。かなりマイノリティなんじゃないか。
底のマウスソールはかなり大きめの特殊なシェイプをしています。特にフロント。
なぜかというとど真ん中にポゴピンがあるからで、これはエンハンストレシーバーで簡単に充電できるようにするために必要不可欠なものなんです。
レシーバーの手前にガチャッと載せるだけで充電スタート。やっぱケーブル刺さないで充電できるのは良いです。ポーリングレートが高くなってくると電池の消費量も激しくなるので、この設計だとストレスが減ります。4Kで24時間と言われてますし。
ケーブル充電は億劫になりがちで、ゲーム中に充電切れることよくありますもんね…。叫んでも時遅し、お前はすでに死んでいる状態。
ZOWIEのワイヤレスシリーズは1Kの小型ドングルと、4K対応のエンハンストワイヤレスレシーバーがあって、基本的にはこのエンハンストの大きい方を使うのが良いです。いっそのこと1Kドングルなくして少しでも生産コスト下げればいいんじゃないかと思っちゃうんですが、理由あるのかな。
エンハンストは電波に指向性を持たせているので接続は安定しますし、4Kポーリングレートを使えます。CWシリーズではエンハンストでも1Kが限界でしたが、DWではパワーアップ。
ポーリングレートが2K以上になると上部に緑色のHzと書かれたインジケーターが表示されます。本体バッテリーの残量が10%を切ると緑色じゃなくて赤色になります。
このレシーバー、やはりでかいというネックはあります。壁なんですよね、ウォール・マリアみたいな。超大型巨人の壁に手をかけてるミニフィギュアとかあったらしっくりきそう。
マウス前方にある赤いパーツがエンハンストレシーバー専用のアンテナです。アンテナとエンハンストレシーバーの向きはちゃんと揃えないと接続安定しないのだけ注意ですね。
そんなには軽くない重量感
Zowieはそこまで軽量化はしてこない代わりにビルドクオリティは文句のつけようなし…って感じが多いですが今回も同様で、品質は良いけど決して軽いとは言えない重さ。
ZA13は65.3g、FK2は64.9g、S2は64.9gでした。
ちなみにZA13の有線版は68.0g。
40g台のマウスには全然敵わなくて、40gから持ち変えるとズッシリとした重量を感じることは間違いありません。
とは言ったものの、前後の重量バランスが適正なこともあってそこまで重くも感じないような。究極の軽さを追い求めるならなんとも言えませんが、そこまで拘らないなら全く悪くないです。
ざっくりとグラフにしておきました。EC2-CWとU2も計測して載せています。EC2重すぎだし、U2が一番軽かった。
シェイプについて
ここら辺りから本題で、シェイプについて見ていきましょう。
ZA13-DWの形状とレビュー
ZA13は、フロント側がロープロファイルで、ケツ側がクッと高く上がっている左右対称形シェイプ。後方の高くなったハンプ部分はつかみ持ちした時に手のひらに当たって高い安定感をもたらします。横方向への圧迫感は少なく、親指と小指にはスペースを少し残したまま、縦方向にフィット感が強いというイメージ。丸みを感じます。
フロント側が低いのでクリックが地面に近く、繊細なエイムがしやすいと感じます。先端が低くなると正面というかモニター方向に向かってポインティングしている感が強くなって意識が前に向いて良いなと思うんですよね。
サイド部分は細身になっていて、くびれが強めでキュッと掴めます。細かいコントロールが可能になるとともに、マウスを持ち上げやすくなるため、切り返す時もよりスピーディに。
両サイドはセンターからフロントにかけて逆ハノジになっていて、さらにフロントエッジには突起もあるため、持ち方によってはこれもマウスをリフトしやすくしている要因です。私のつかみ持ちの場合はあまりこのエッジに指は引っかかりませんが、かぶせたり薬指を伸ばし気味で持つ人には影響するでしょう。
なんでかこのシェイプ、クローンが出てないんですよね。インスパイアはあるけどクローンは見かけないっていう。本家がついに出してくれたのでね、このユニークなシェイプはやっぱりZowieだろってことでいいか。
有線版と比べてみると、ボタンのストロークが短めになってトコトコと明確なクリック感があり、かつ比較的柔らかめで静か。つまるところ良くなってます。
ホイールは24ノッチのややカリカリタイプですが、EC2-CWと比べると音は小さめになってる気がしますね。フィードバックは少し弱くなっていますが、分離感はハッキリしていて良い感じです。CWシリーズからするときっちり進化しているなと。
XLATでメインボタンのクリック応答速度を測ってみました。
ZA13-DWもS2-DWもおそらく同じだろうということでFK2-DWのみ計測していますが、3950マイクロ秒と非常に遅いです。トップクラスに速いG-WolvesやFinalmouseに比べると約10倍以上の遅延差があります。
体感できないでしょという話もありますが、信号処理としてはこれだけの差があることは心に留めておいても良さそうです。
ちなみにマウスのCRT(クリックレスポンスタイム)設定はFastに変更済み。たぶん初期状態のマウスはCRTがNormalになっているため変更した方が良いです。Normalだと8000マイクロ秒オーバーになります。
変更方法をざっくり説明すると、マウスの電源を一度オフにし、サイドボタン4を押しながら電源を入れると底のDPIインジケーターが青色に光ってマウスが起動します。これで設定OK。
FK2-DWの形状とレビュー
FK2-DWはペタッと平べったいシェイプで、他のマウスで例えるとRazer ViperシリーズやFinalmouseシリーズ、Gloriousシリーズなどが似ています。
ZA13とは打って変わってよくクローンが作られている印象。
同じDWシリーズのZA13やS2なんかに比べると縦方向に長いんですが、背丈が低いのでデカすぎとはあまり感じないんですよね。FK2は中央から後方にかけてのハンプがなだらかなのでアグレッシブさがなく、手のひらへの圧迫感少なめでびったり沿うようにフィットするのが特徴。
サイドの中央部分はくびれ気味で、後ろ側の優しめハンプは横に膨らんでます。割とどのような持ち方でも相性が良くて、結構かぶせでもつかみでもいけちゃうんです。かぶせると手のサイズによっては薬指と小指がマウスパッドに擦れる可能性があるけど、いけます。
つまむにはちょいと後ろ側が膨らんでるので手のひらにあたりがちです。手のひらにあたると指だけで動かせる可動域が減ってしまうので、手の大きい人の方がもっと効果的な使い方ができるでしょう。
ちなみに私の手のサイズは18.5×10.5cmくらいですが、やっぱり当たっちゃうのでつかみ持ちするならもうちょい小さいマウスの方がいいかも。
クリックとホイールはZA13と同じように優秀な印象です。メインボタンのストロークはちょっとZA13よりも深い。サイドボタンは結構硬めですごくソリッドな押し心地でした。これは他の2モデルに比べてもやや硬かったかな、一番サイズが細いというのもあるかも。
S2-DWの形状とレビュー
S2-DWもクローンがそれなりに作られている人気シェイプの1つです。
今回紹介した3つの中では1番セーフなシェイプというか、ケツ高でもなくロープロファイルでもない左右対称形をしています。
ZA13と同じようにやや縦の長さは短めになっていてます。大きく違うのはフロント側のボタンの高さで、より高く設計されています。ロープロファイルなフロントよりも、高いクリック位置が好きならしっくりくるでしょう。
FK2ほど低く平べったくない、そしてZA13ほど前後の高さのギャップがない。この3つで考えた時に、2つの中間みたいな立ち位置と言えるかもと思ったのですが、どっちのエッセンスも持っているというよりは両方とも違うフィーリングです。
お尻は横方向に高いままグッと広がっているので、持った時のアグレッシブさは3モデルの中でも最も強いです。親指の付け根側と、小指側の付け根側に圧迫感があって、逆に人差し指と中指の下である中心部分は少し余裕があって隙間ができます。
サイドのくびれは他のモデル同様それなりにあって、これも他の2種と同じく持ち上げやすさを意識した細さです。
まとめ
3つのマウス紹介しましたが、私としてはZA13がすっごく使いやすい形。これはクローンがないこともあって他ではなかなか体験できない握り心地なので、迷ったらこれ試してみるのが良いかなと思ってます。
上の画像を見てもらえば、3つとも形全然違うじゃん!ということがお分かりいただけるでしょう。
マウスのシェイプの好き好きってほんとに個人差あるんで。手の大きさや握り方も大きく影響しますし。FK2やS2はもしかしたらマウス好きなら似たモデルを何回も過去に触ってるかもしれませんので、なんとなく手に合うかは判断しやすいかもですね。
ビルドクオリティは心配しなくていいし、センサーも最新系だし、ワイヤレス4k使えるし、一昔前のZowieちょっと古いよな感は払拭されてきました。
ZA13ワイヤレスいいよ。S2もFK2もいいよ。どれも握り心地全然違うからね、できればどこかで全部一気に触って欲しいくらい。
重さだけ相変わらず60g台と決して軽いとは言えないので、40g台じゃないと…って方にはおすすめしにくいのが正直なところ。やっぱり持ち替えると重み感じるし。
価格は24,800円。近年のトップブランドのフラッグシップワイヤレスマウスで言えば順当な値段、俺らの財布的にはそこそこの打撃。3つ買って試すわけにもいかないだろうから慎重な見極め、していきましょう。もしくは減税頼む。
それとECとU2はもうすでにワイヤレス出てるんですけど、これらは前世代のCなので、今後DWとしての展開が見込まれてます。軽いEC系出たらいいよね。
今回発売したモデルもさらにサイズ展開で枝分かれしてもらって…種類とサイズが揃ってきたらかなり強い土台になりそう。とりあえずZowieから選べば自分の手に合うマウス見つかるから間違いないよって言える2025年になるのか。期待。
提供: BenQ ZOWIE